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鳥取の歴史発見トラベルマガジン。歴史から紐解く鳥取の文化遺産、観光地の新しい見方などご紹介します。

奥の院 一般社団法人 鳥取・日光400年プロジェクト
文 化

映画化決定人気アニメの
ロケ参考地として賑わう岩美町

アニメブームに湧く、岩美町田尻・網代漁港を巡る。

 少しここで歴史話から離れて箸休め。某水泳アニメのロケ参考地としてファン達の話題になっている岩美町を当編集部も巡ってみました!

すごい!細かな田舎道までそのまんま!
あの男子たちが歩いた場所で思いを馳せる。写真を撮る。

 岩美町観光協会が発行しているガイドマップを見ながらロケ地を巡り、その場所でYouTubeを開いてOPなど見てみましょう。「すごい!ここだ!」と興奮しながら写真をパシャリ! 思わずカメラに手が伸びてしまいます。(ただし民家が連なるど真ん中にあるので、迷惑にならないよう注意が必要です。)落ち着いてシーンを思い返しながら眺めて見ても、本当に細やかな部分まで見て描いていることに気付かされます。驚き止まぬ光景ですが、地元の方たちにしてみれば、そんな我々の行動こそ驚きの光景なのでしょう。

写真でも分かるあの印象深いシーンも。

田後漁港から入る展望台。日本海を眺める絶景の写真撮影スポットです。

彼らが揃ってお参りをした神社である「荒砂神社」。

 この荒砂神社、実は戦国時代には名武将である「山中鹿之助」が、鳥取城攻めの戦勝祈願をしたとの言われが残る、歴史的エピソードのある神社。さらに本殿にある五段の龍の彫刻は、江戸時代初期に活躍したとされる伝説的な彫刻職人、左甚五郎(ひだりじんごろう)の高弟・小倉円三郎による名作である、など、思わぬ見所に遭遇。箸休めであったはずのアニメロケ地巡りで、このように歴史的逸材を拾えてしまうあたり、とっとり麒麟ツアーズとしては人気アニメが取りなしてくれたご縁に感謝し、そして(厚かましくも)ブームとのシンクロニシティを感じずにはいられません。

町を回るならレンタサイクルが便利

岩美駅前にある岩美町観光協会に並ぶレンタサイクル。

 アニメの背景を巡るにあたり、田尻から網代へと渡る必要があるのですが、徒歩で行くにはそれは結構な道のりです。そこでお奨めなのが、JR岩美駅前の観光協会にて1日500円、9~18時まで借りられる電動アシスト付きのレンタサイクル。取材の際も、実際に自転車で巡っているグループが見受けられました。
 岩美観光協会内にはアニメに関するガイドマップもあるので、まず最初にここへ訪れるべきでしょう。

アニメ発祥のイカ祭り

イカまつりで賑わう岩美町

 港町である岩美町。田後港、網代港で水揚げされる鳥取の水産物を代表する「白いか」が有名で、両港で干したこの白イカのスルメは、他のスルメとちょっと違います。うす塩と港の潮の香りが効いていて肉厚。しかもやわらかい。今までのスルメの概念が一挙に変わる、なんとも贅沢な味わいです。これをピックアップしたのか、アニメシリーズ終盤、クライマックス直前の回の物語の山場となる夏祭りのシーンで、その祭りを「イカ祭り」と称し放送。これを受け、現地・岩美町の荒砂神社前では、放送1年後の夏に早速実際に同名の祭が開催され、コスプレイベントや、イカづくしの屋台、イカ墨書道大会、岩鳶ちゃん(キャラクター)が町中に顔を出すなど、手作り感満載ながらも多くのファンと地元民が集まる感動と妄想の、アニメ愛溢れるお祭りとなり、毎年恒例のイベントへと発展したのです。

山陰最古の出で湯・湯かむりの郷
池田光仲によって再興された「岩井温泉」

今も残る伝統の「湯かむり」

 少しアニメとは話がずれますが、ここまで来たら歴史好きには是非とも訪れて宿泊して欲しい“1300年の歴史を誇る山陰最古の温泉”岩井温泉をご紹介。
 戦国期に一度湯地が埋まり荒廃したにもかかわらず、初代鳥取藩主である池田光仲公により再興された岩井温泉。光仲の宿泊・休憩のために、御茶屋と湯小屋が建てられたというから、よほどこの地の温泉を気に入っていたのではないかと思われます。(光仲以降、吉泰、重寛、慶行が入湯していたようです。)薬師如来が温泉を湧出させたとの伝説も残るため、その縁起にあやかるためにに訪れた、との説もあります。
 今でも「湯かむり」と呼ばれる、頭に手ぬぐいを乗せ、柄杓で湯をかむるという江戸時代から伝わる奇習が残っています。
 中国山地に源を発す清流蒲生川に沿った温泉街は、穏やかで素朴な情緒に包まれており、優れた温泉地の証である「国民保養温泉地」に指定されています。 源泉掛け流しの温泉は効能もたっぷりです。

岩美町観光協会
所在地
〒681-0003 鳥取県岩美郡岩美町浦富783-8(JR岩美駅すぐ横)
電話番号
0857-72-3481
営業時間
9:00~18:00
定休日
月曜日定休(祝日の場合は翌日)
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地図は『鳥取市要覧』(大正15年・鳥取市発行)から転載。(鳥取市市民図書館蔵)