池田藩32万石の城下町に、
こんこんと湧く名湯「鳥取温泉」
全国的に珍しい、県庁所在地の繁華街に湧く鳥取温泉
駅開通より後の開湯!?
池田家の長い歴史の中、意外に浅い鳥取温泉の歴史
池田公の御用保養温泉地と言えば日本最大の池「湖山池」のほとりにある吉岡温泉。こちらは開湯千年の永き歴史を持つ湯どころです。 鳥取城から西へ10kmと遠からずとも、さすがに駕籠や馬を轢いてのそれなりに大変な移動であったことでしょう。鳥取温泉はそこからはるか遅れての、明治30年の開湯。飲用の井戸水掘削の際に発見され、その地名「吉方村*」から吉方温泉と命名されたのです。後に周辺の末広町、永楽通り周辺からも源泉が発見され、昭和40年代には30ヶ所以上の源泉が開発され、鳥取駅前一帯に湯屋街が形成されました。廃藩置県が行われ、島根県との併合を経て鳥取県が再置された後のことです。もしも発見が鳥取藩の時代ならば、殿も毎日歩いて通える“膝元のプライベート温泉”となっていたことでしょう。
鳥取藩32万石城下町を彷彿とさせる鳥取駅前周辺をぶらり
城主の数だけ大河ドラマがある
日本(ひのもと)にかくれなき名山
江戸時代文政年間創業190年余り
100%天然かけ流し自家源泉鳥取温泉の老舗
観水庭こぜにや
“歩いて廻る”大河ドラマ・鳥取城下町散策でかいた汗を流し、鳥取の温泉街を満喫したい。そんなあなたにお奨めの湯どころは多数ありますが、まずご紹介したいのが「鳥取温泉・観水庭こぜにや」。市街地の中心にありながら100%天然かけ流し温泉(自家源泉)を有し、更に日本海の旬の海、山の幸の素材を生かしたお料理で湯上がりの贅沢なひとときをもてなしてくれる、老舗定番、「大事な旅で後悔したくない」という方に間違いなしのスポットです。
創業150年とあるように、鳥取温泉の明治30年の開湯以前から旅亭としての歴史をスタートさせた老舗中の老舗であり、また、昭和天皇と皇太子・皇太子妃、文豪島崎藤村など、セレブリティの選らぶ秘蔵の宿でもあります。島崎藤村著「山陰土産」には、その賛辞がつづられていますが、その内容は、気取った堅苦しさのない旅館でありながら、もてなしの想いが細部まで行き渡っている、といったもの。「吸物わんのふたを取つて見ただけでも、おほよそその地方を想像することが出来るやうな気もする。」藤村は「山陰土産」の中のこの一文で、江戸の「粋」と似て非なる鳥取の「粋」までも捉えているようです。その「粋」とは安直な華美さより細部に真心を込める鳥取の美意識、もてなしの心、といったところでしょうか。
以上はかつての「小銭屋(屋号は漢字表記だったようです)」のエピソード。現在の「観水庭こぜにや」を紹介させて頂きますと、天然温泉は、ナトリウム‐硫酸塩・塩化物泉、泉温50.1℃、仄かな金気、ほぼ無色透明の青掛り・微濁りの泉質。大浴場、露天、貸切風呂の取り揃えで、100%天然かけ流しの湯を心行くまで堪能できます。受け継がれたその泉水に身体はもちろん、中心市街地とは思えぬ静かな館内の落ち着いた和風観水庭園の彩りに目も心も安らぐ、まさに鳥取城下町随一のおもてなしの宿。温泉入浴のみ、食事のみの利用も可能です。
鳥取の食の代表格
池田公ゆかりの、元祖「松葉がに」
藤村の「山陰土産」の一文から気になるのは食事のお話、ということで、山陰の名産、ご存知「松葉ガニ」のお話で〆たいと思います。地方によって越前ガニ、ズワイガニなど呼び名は異なりますが、ここ鳥取では「松葉がに」と呼ばれています。命名のセンスが実に日本的で美しく、呼び名からして食欲をそそるものですね。名に「松葉」とつく由来には諸説あり、漁師が大量の松葉を燃やして湧かした大釜で茹でたから、足のカタチが松葉のようだから、刺身にして冷水につけると神棚に飾る松葉のように身が綺麗にほぐれて開くから…など様々。その名が印された最古の文献をたどると、1845年に書かれた鳥取藩の「町目付日記」には同年(弘化2年・藩主は第10代池田慶行)11月13日、御用座敷立て替えの棟上げの祝宴に用意された献立の記録の中で、「広蓋え杉盛口取の中に、大花竹輪、松葉がに、焼玉子、みかん、焼津々実…」と、「松葉がに」なる名称が使われている。またその13年後の町役人の日記「町年寄御用日記」にも11月晩日の昼食として「松葉がに」の名称が登場している。池田公が召上がられた膳「広蓋え杉盛口取」とは、御膳の最初に吸い物とあわせて出される、旬の食材が彩りよく盛りつけられた前菜で、オードブルのように(花形に切られた)竹輪、卵焼きやみかんの小鉢、銀杏や栗の焼き物などが、松葉がにを惹き飾り「大きな花のごとく」盛られていたそうです。中央にむき身や爪、甲羅など彩り良く盛られた立派で大きなカニ。江戸時代のお品書きに記載された文字のみから膨らませた想像ですが、その様は彩り良く咲く野の草花を従えて根をおろす、立派で見応えの良い、葉を茂らせた松のようだったのかもしれません。
特典案内
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- 所在地
- 〒680-0834 鳥取県鳥取市永楽温泉町651
- 電話番号
- 0857-23-3311
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